シチズングループ FREDERIQUE CONSTANT ローンチ発表会


 
 
 去る8月1日水曜日、シチズン時計株式会社は、スイスの時計ブランド フレデリック・コンスタントの販売及びマーケティング業務を正式に開催するためのGINZA SIX 13F 「THE GRAND GINZA」にて発表会を行った。

 フレデリック・コンスタント(以下F・C)はスイス ジュネーブに拠点を置く時計を自社製造できるブランドである。
 1988年創業の若いブランドであり、高品質の時計を多くの人に楽しんでもらいたいという「Accessible Luxury/手が届くラグジュアリー」をコンセプトに、クラシカルなデザインで革新的な時計を今日まで世に送り出している。2004年には自社生産ムーブメント、2007年にはシリコンを使用したモデルを発表するなど、巨大ウォッチグループや老舗時計ブランドと肩を並べて時計産業をけん引してきた。

 一方シチズンは1930年創業(会社として)、ご存知のように日本の時計ブランドであるが、グローバル化という時代の流れと国内他社とは違う戦略を打ち出している。アメリカのブローバを傘下に収め、2012年にはスイスの機械式ムーブメントや部品製造、販売を行っているプロサーグループを傘下に収めた事は記憶に新しく、世界中の時計愛好家や関係者驚かせた。
 
 F・Cにとっても日本市場も大きなマーケットの一つであり、シチズングループの販売網は大変有効であるに違いない。その証拠に2017年1月より既に事業統合している北米マーケットでは、17名の現地スタッフに対し、シチズングループは約500名のスタッフがおり、売り上げが30%程UPしているという。
  
と、ここまでは色々なサイトでも見れるので詳しくはそれらをご覧いただきたい。このブログでは現場での写真や商品を魅力的に掲載していきたいと考えています。


 近年、時計の機能に対して低価格化が話題を呼んでいる。昨年100万円台のパーペチュアルカレンダー(通常は500万~)を発表した同社が、今年は50万円台というフライバッククロノグラフをバーゼルと同様に、この場で発表した。
 通常のクロノグラフに比べ、耐久性などを考慮するために設計が難しくなることから、低価格化が進んでいるとは言え価格も80万~150万円台が多い。しかしこの価格は他ブランドの脅威になることは間違いないだろう。

デザイン面では、上記のグレー又はシルバー文字盤の控えめなサンレイ仕上げにアプライド・インデックス、タキメーターを文字盤外周に印字している現代的なクロノグラフ、更に別のバージョン(写真下)としてローマ数字にシルバーのクルー・ド・パリのギョウシェパターンにブレゲ針を備えたクラシカルなモデルもある。


 今回、発表会の後に実機を並べてのパーティーがあり、そこで手に取ってみたモデルはシルバーのサテンソレイユである。

  最近流行りのボックスサファイヤクリスタルを採用することによりクラシカルな面持ちを持たせ、シルバーダイヤルにピンクゴールドカラーのケースとインデックス、針という組み合わせが上品さを演出しながら、視認性を確保している。また針に夜行を付けることで、夜間の視認性確保はもちろんカジュアル感を出し、現代的でスポーティーでありながら、美意識を最大限に引き出すデザインは見事である。 
  

 最も好感が持てたのは、6時位置のカウンター。実はよくある積算カウンターではなく、リューズにて調整可能な指針による日付になっている。
 6時位置に積算カウンターなどを置くと、小さなムーブメントに対しケース40㎜以上のクロノグラフはより中心にカウンターが集まっているように見える事ある。それが決して悪いとは言わないが、個人的には美しいに欠けてしまう。
 このクロノグラフは、計測と直接関係がない日付を置くことにより3つのカウンターを程良い距離感に保ち、バランスの良い顔立ちにしている。また日付窓がなくなるので、よりクラシカルに見せているという気の利いたデザインだ。
 
 スタート・ストップのプッシュボタンの押した感じも、この価格にしては驚くほどスムーズである。今回、6年の開発期間を費やしたというこのクロノグラフは、コラムホイールではなく星形のスターホイール(文字盤側2時位置)によって制御が行われている。
 仕上げも見事で、ネジにはブルーのネジが採用されており、いたるところに美意識の高さがうかがえる。

フライバックリセットの押し感は若干の硬さを感じたが、これよりも高い値段でもっと硬いものもあることを考えれば、優秀であると言えよう。

 ベースは自社製FC-710をベースにしており、通常のクロノグラフよりパーツ数が少ない233個からなる自社製ムーブメントFC-760は、そのうちたったの96個のフライバックパーツを使用することで、極力無駄を省き、生産性を上げることも念頭に置いているのであろう。
 38時間というパワーリザーブは、今日のロングパワーリザーブ競争を見ているといささか短いように思うが、自動巻きであることを考えれば着用している時に巻き上げられるので問題はないだろう。
 

価格は上記モデル(SSにピンクゴールド加工)はどちらも582,000円(税抜)である。
是非、機会があればこの商品を手に取って見ていただきたい。
個人的にはSSにダークグレー文字盤(539,000円(税抜))がおすすめだ。
https://frederiqueconstant.com/ja/collections/manufacture-ja/flyback-chronograph-ja/

スペック
ケース径: 42mm
ケース素材: ステンレススティール(又はローズゴールド加工)
防水性: 5気圧
ストラップ: アリゲーター
ムーブメント: 自社製Cal.FC-760、自動巻き、毎時28,800振動、パワーリザーブ38時間、32石、時分、スモールセコンド、フライバッククロノグラフ、 ポインターデイト
風防: ボックスサファイアクリスタル、シースルーケースバック、
文字盤: シルバー又はダークグレーダイヤル


 有名高級時計ブランドが軒を並べるスイス メイランに、自社工場を持つフレデリック・コンスタントが、シチズン傘下になることで大きな販路を得たことは前述した通りである。時計業界では低価格化が進んでいる一方で、高品質化が著しく進化している。時計業界の明暗を分ける今後の動きが少しずつ見えてきた今日、フレデリック・コンスタントが、どのように進化して行くのか?これからも目が離せないのは私だけではないであろう。


【お客様お問い合わせ先】

フレデリック・コンスタント相談室 
0570-03-1988
受付時間: 9:30~17:30  (祝日を除く月~金)
https://frederiqueconstant.com/ja/



コメント

このブログの人気の投稿

アントワーヌ・プレジウソ氏 来日

ブルガリ x カミネ 「ブルガリ オクト フィニッシモ トリロジー」発表記念パーティー